適当に庭園紹介⑥ 足立区の庭園×2

• 2010年6月6日

 

不定期且つ相当に頻度の低い「適当に庭園紹介」。
今日は、東京都足立区の「2つの庭園」をご紹介します。
まずは、「花畑記念庭園」。埼玉県との県境に近い「花畑公園」に隣接して設けられています。一戸建てや公団住宅に囲まれた、普通の住宅地の中にあります。
昭和59年(1984)に完成。老朽化による改修を終えて、今年4月から一般公開が復活したそうです。
足立区の公園なので、入園料も無料。にも関わらず、お庭の作りは、本格的な「池泉回遊式庭園」です。庭園の管理を民間企業に委託しているらしく、管理が行き届いていて、落葉や枯枝が全く落ちていませんでした。
大池に張り出すように建てられた「桜花亭」という建物から眺めるのがベストビューのようですが、喫茶コーナーもあるので、ゆったりと鑑賞したい方にはオススメの庭園です。
もう一つ、足立区の庭園で忘れてはならないのが「東渕江庭園」。こちらも庭園は無料。こちらは、「中川」に近い「北綾瀬」にある「郷土記念博物館」に隣接しています。この庭園の基本設計をしたのが、なんと、当校の「I先生」。名作庭家「故小形研三」氏の元で研鑽に励んでいた頃の仕事で、故小形氏と相談しながら作ったそうです。痺れます。
この庭園は、博物館の裏手に粛然と広がっている「隠れ処」のような雰囲気。外部から隔絶された「静寂を楽しむ空間」、そんな印象を受けました。
「I先生」のこだわりが感じられるのが、建物から向かって右側に設けられた「築地塀」。効いてます。見た瞬間に解りました。「壁の向こうは、どうなってるのだろうか?」的な、期待感を煽られてしまいます。The Garden Desing technique!
茶室(非公開)の待合からの眺めも良いですね~。こちら側からも「築地塀」がポイントになってます。

こんな庭園を維持して無料で開放している「足立区」の懐の深さに感謝です。